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小谷貞広・一人百首

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    いく春をかけてなきし牛の舌も

     ぬかれては「タン」となりて売らるる


【写真】雪の朝<中村市ついぢ> 33.1
     小谷貞広写真集「ゆく河の流れ」1980より


■歌は人を表す

 歌に傲慢さやたくらみなどは微塵もない。根は優しくはにかみ屋で内向的な面を軽いウエットやペーソスに包み込んで表現する。歌は人を表すものだ。小谷貞広氏の歌には、氏の全性格が真正直に表れている。(大滝貞一)
# by odani100s | 2007-02-08 19:07 | 小谷貞広・一人百首

ふるさと(後川橋)

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    市とはいうも昔の村の集まりで

      住所にはみな字がつきます


【写真】後川橋落成 38.4.2
     小谷貞広写真集「ゆく河の流れ」1980より


■四万十市大字安並字エヒタノ奥

 土佐の小京都と言われる中村の天神橋商店街から、老いの二人が、後川橋を渡り・・・都落ちではないが、安並の俗称「蜩亭」という山峡の一軒家に引っ越して来た。

 市役所の住所録には、中村市(現四万十市)大字安並字エヒタノ奥とある。郵便も最終配達区か、4時過ぎか5時頃となる。

 30坪程の庭があり、四季おりおりの花は咲くし、何時も小鳥が来て遊ぶ。老いの住家としては申し分のないように思われるが、中々齢には勝てず体力も気力も衰える一方。

 せめて、30数余年つづけてきた短歌だけはと思うものの、出来るのは大方人生無情の老いの歌か、身近にただ一人いる老妻の歌か。

『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮ぶ、うたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖とまたかくのごとし。』(第5歌集「うたかた」より)
# by odani100s | 2007-02-01 06:06 | ふるさと

小谷貞広・一人百首

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    七世紀末のトイレを掘りあてて

        糞を調べている考古学


【写真】台風一過(海辺で林業?)<入野の浜にて> 38.8.14
     小谷貞広写真集「ゆく河の流れ」1980より


■益荒男歌

 人はこの飄々たる、剛直なる益荒男歌に笑いを誘われ、思わずもみずからの言動や思惑をキッパリと代弁して貰ったような、爽快な気分になる。歌に対する解釈など全く不要だ。(大滝貞一)
# by odani100s | 2007-01-25 06:15 | 小谷貞広・一人百首

小谷貞広・一人百首

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    暁を目覚めておればわが庭に

      隣家の青柿落ちし音する


【写真】寒鯔とり<中村市竹島> 34.12.13
     小谷貞広写真集「ゆく河の流れ」1980より


■青柿落ちし・・・

 批判めいたことはもう言わない。生活の哀歓が歌われているのだから・・・。
# by odani100s | 2007-01-18 04:51 | 小谷貞広・一人百首

小谷貞広・一人百首

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    わが居間は四畳半にて酒を酌み

      歌を詠みては食事もすなり


【写真】雪の日の郵便さん<中村市西下町にて> 33.3.12
     小谷貞広写真集「ゆく河の流れ」1980より


■客観性

 自分のことでありながら、こともなげに映画のワンシーンを見るように、歌にしてしまう客観性・・・この客観性が小谷さんの歌への姿勢をあらわしているようだ。(沖ななも)
# by odani100s | 2007-01-11 06:19 | 小谷貞広・一人百首




「蜩亭」の庵主、小谷貞広氏の写真と短歌です。
by odani100s
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